Q.農業を始めたきっかけとイチゴを選んだ理由を教えてください。
農業を始めたのは、父親が代々農業を営んでいたからという単純な理由からで、長男として継ぐことが自然な流れでした。以前はニラを栽培していましたが、自分がニラを好きではなかったため、「自分が本当に好きなものを作ろう」と決意し、自らの意思でイチゴ栽培を始めました。
現在の栽培地は日照条件が悪いという課題がありますが、その条件下でも高単価で楽しく作れるものとしてイチゴが最適だと考えた結果です。現在は、両親が他の作物を作る一方で、自身はイチゴ 1 本に絞って経営しています。
Q.栽培のこだわりと美味しさのポイントを教えてください。
「超減農薬栽培」を掲げ、そのまま食べるものだからこそ、イチゴ本来の風味や香りを大切にしています。化学肥料や農薬を多用する一般的な方法ではなく、有機肥料を使用して味にコクを出し、微生物を使いこなすことでイチゴ自体の免疫力を高める取り組みをしています。
また、見た目や糖度の数値だけではなく、数値化できない美味しさを消費者に伝えることを重視しています。

Q.自然や異常気象はどのように対応していますか?
異常気象への対応として、まずはハウスの設備や環境整備といったハード面を整えることを重要視しています。それに加えて、微生物を活用して土作りを行い、イチゴの成長を見極めるという基本的な農業スキルを組み合わせることで、環境変化に対応しています。
Q.まつばやを選び続けている理由は?
この地域は店舗が限られているのですが、その中でもまつばやは、発注から納品、そして支払いまでを非常にスムーズに、不便なく行える点が大きな魅力です。そうした信頼感があるからこそ、まつばやさんにお願いして良かったと感じています。
Q.生産における苦労と工夫を教えてください。
資材コストや燃料費の高騰に悩まされており、農産物は価格転嫁が難しいという課題に直面しています。そのため、パックのサイズを調整したり、生産量を増やしたりするといった工夫を凝らしています。
また、観光農園としての魅力を高めるために、5種類の多品種栽培を行っています。肉体的な厳しさはありますが、最後は「気力」でカバーして日々の作業にあたっています。
Q.作物(イチゴ)への特別な思いはありますか?
イチゴは親株から伸びる「ランナー」を苗にするため、「一子相伝」のようにその農園の個性が遺伝していく作物だと考えています。この性質を活かし、将来的には独自のブランド化(ブランディング)を確立したいという情熱を持っています。
また、多少の病気(うどんこ病など)があっても、体に害がなく自分が自信を持って食べられるものを作るという点には強いこだわりを持っています。


Q.おすすめの食べ方と旬の時期を教えてください。
本来の旬は5月頃ですが、ハウス栽培により2月から4月頃が最も良い時期となります。食べ方はフレッシュなままが一番ですが、生ハムやオリーブオイル、岩塩、ペッパーをかけてサラダ風にする食べ方も提案しています。また、安価な時期にはジャムにしたり、アイスのトッピングにしたりするのもおすすめです。
Q.美味しいイチゴの見分け方を教えてください。
美味しいイチゴを見分けるポイントは以下の通りです。
・色が鮮やかでツヤ(透明感)があること。
・ヘタがギュッと上に反り返り、ヘタの下の「首」の部分が少し伸びているものは完熟のサインです。
見た目が少し不揃いだったり、形が悪い(変形している)ものの方が、実は味が乗っていて美味しいことが多く、お得です。
Q.嬉しい瞬間とお客様からの反響はありますか?
店頭でお客様が自分の商品を手に取る瞬間を見たり、SNSで「買った」という投稿を見つけたりすることが純粋に嬉しいと感じます。お客様からは「ブドウのような味がする」といった驚きの声や、シンプルに「美味しい」という言葉をもらうことが大きな励みになっています。
Q. 地域社会との関わりを教えてください。
地元の新規就農者や若手の支援に力を入れており、地域全体で農業を盛り上げたいと考えています。また、子供たちが大好きで、地元の保育所や小中学校にイチゴを配ったり、福祉施設などのイチゴ狩りを受け入れたりするなど、地域貢献活動も積極的に行っています。

Q.まつばやとのお取引はどのようなきっかけで始まりましたか?
母親と「まつばや」のスタッフとの親交がきっかけで出荷が始まりました。地元のスーパーである「まつばや」で販売することは、知っている人が買ってくれているという実感が持てるため、非常に大きなモチベーションになっています。日常的に地元の人が集まる場所で、自分のイチゴが手に取られることに喜びを感じています。
Q.これから挑戦してみたいことや、今後の目標があれば教えてください。
個人の黒字経営を継続することはもちろんですが、「地域の課題解決」を大きな目標としています。余っている畑やビニールハウスを活用し、個人経営の意識を持ちつつもグループで生産を行う仕組みを作ることで、農家の手取りを増やし、地域農業を活性化させていきたいと考えています。